横浜市は2019年9月4日、1月から公募していた「現市庁舎街区活用事業」の事業者を、三井不動産を代表者とする企業グループに決定したと発表しました。現市庁舎の移転で経済的な地盤沈下が懸念される関内地区に新たなランドマークが誕生することとなります。
公募の概要
今回の募集は、横浜市の記者発表によれば以下の内容で公募されていました。
1.公募土地の概要
所在:横浜市中区港町一丁目1番外
地積:16,522.87㎡
用途地域等:商業地域(80%/800%)
2.提案の概要
募集用途:「国際的な産学連携」「観光・集客」に寄与し、賑わいの創出に資する建築物
提案事項:① 事業コンセプト ② 建物用途 ③ 施設計画 ④ マネジメント ⑤事業計画
3.条件
・土地は50年以上の定期借地権(賃料は現段階では未公表)
・敷地上の現存建物は事業者が取得する。
・既存行政棟は基本的には活用する。
決定した事業の概要
1.事業者
代表者:三井不動産㈱
構成者:鹿島建設㈱、京浜急行電鉄㈱、第一生命保険㈱、㈱竹中工務店、㈱ディー・エヌ・エー、東急㈱、㈱関内ホテルマネジメント
2.事業規模
延床面積:117,017㎡
地下1階付地上30階建、高さ約160m
3.フロア構成
4.施設概要
タワー部分について

事業者決定の資料と同時に、各応募に対するコメントを記載した「答申」を横浜市は公表しています。それによれば、いずれの提案も素晴らしいものだったようですが、文面からすると今回決定した事業内容が一番具体性が高かった点が評価されたように見えます。
特にタワー部分の大部分を構成するイノベーションオフィスは、以下の記載がありました。
グローバル企業によるオープンイノベーション拠点、産・学の共創空間となる新産業創造拠点、大学、ウェルネスセンターを設置するなどの具体的な提案となっており、代表者による資金支援機能が示されていることや、特色ある領域での支援プログラムを展開することにより新たな分野で活躍する企業を育てること、その企業を横浜に根付かせるための意欲が評価されました。
横浜市記者発表より
最近、ニュースに触れる機会がメッキリ減った私の弱い頭では、「ソフトバンク」、「孫さん」という単語ぐらいしか連想されません(ただ、ソフトバンクは竹芝に本社移転の予定なので、これ以上他拠点を開設するのか疑問はありますが。)。賃貸床の75%は入居企業の目星は付いているようで、進出企業の詳細発表が待ち遠しいです。
ホテル部分について
ホテルは行政棟の3~8階になります。当該部分は㈱星野リゾートが活用に関与することとなっているようです。
横浜市の記者発表資料には、
開業半年以上前からホテルスタッフが地域に住み、地元の人が通うガイドブ ックに載っていない特別な場所へ宿泊 者を案内する「地域探訪ツアー」を実施するなど、地元との交流を通じて、地区のファンやリピーターを醸成します。
横浜市記者発表資料より
と記載されており、従来型の各クラスのホテルとは一線を画す新しいホテルを目指すようです。
星野リゾートは「界」ブランドが箱根にあるので、神奈川初ではないものの、横浜初出店ということになるのでしょうか?
その他の施設
記者発表には上記のほかに、新産業創造拠点、ウェルネスセンター、大学、ライブビューイングアリーナ、交通結節拠点、エデュテインメント施設、ライブ書店が組み込まれるそうです。
神奈川県民のソウル書店である㈱有隣堂を組み込んだのは、「さすが三井さん、分かってるね」という感じです(何様でしょうか笑)
開業は令和6年度末(行政棟は令和6年6月先行開業を目指す)なので、完成までまだ期間がありますが、この計画を軸として関内駅周辺の再開発に弾みがつけばうれしいですね。
現地の写真(現在時点)


コメント