みなとみらい21新港地区で開発が進む、「ヨコハマハンマーヘッドプロジェクト」を現地調査してきました。

当プロジェクトは、横浜市が推進する「新港地区客船ターミナル(仮称)等整備事業」において、公民連携により客船ターミナル施設(税関、出入国、検疫施設)やホテル・商業施設等を整備するものです。建物着工に伴って、現在の事業名「YOKOHAMA HAMMERHEAD PROJECT」に改称されました。
場所は横浜市中区新港2丁目で、「MARINE &WALK YOKOHAMA」に北側で隣接しています。元々、客船も寄港する埠頭としての機能はあったのですが、急増するクルーズ船寄港需要に対応するため、市が拡張・整備を決めました。本事業では「YOKOHAMA HAMMERHEAD PROJECT」のほか、岸壁・公園の整備、水深の確保工事も同時に行われます。

写真は今年3月頃のものです。クレーンを海中に落として引き上げる作業を繰り返し行っていました。あとで調べて知ったのですが、このような工法を「グラブ浚渫」というそうです。写真は水陸両用バス「スカイダック」が浚渫現場まで近づいているものになっていますが、今にもバスごとすくわれちゃいそうですね!

今回整備される岸壁です。水面と床面間が空洞になっている部分はジャケット式桟橋と呼ばれる岸壁で、ここと既存岸壁を合わせて総延長340mの岸壁となります。完成後には10万トンクラスの豪華客船が着岸できることになります。


建物の外観パースです。建物は、敷地面積約17,371㎡の横浜市の土地に賃貸借期間49年の事業用定期借地権を権原として建築されます。規模は延べ床面積約30,514㎡、S造地上5階建ての建物になります。1FにCIQ施設(客船ターミナル施設)を設けるほか、1~2Fに「食」をテーマとした体験・体感型の商業施設、3~5Fが客室数約200室のホテルという構成です。上図にはホテル部分は「インターコンチネンタルホテル」と記載されています。今回の事業者選定の要件として、①客室最低面積45㎡、②客室数100室以上、③スイートルームの設置、④レストラン・バンケット・フィットネス等を盛り込むこととされていたので、比較的客室は広めのフルサービスホテルとなるものと考えられます。

ランドマークタワーからの写真です。現状は屋上工事中のようです。外観パース上では屋上にも人が書かれていましたが、屋上施設が何になるかは今のところ不明です。


当プロジェクト名称の由来の「50トンハンマーヘッドクレーン」です。クレーンの周りは公園として整備されるそうです。横浜は赤レンガ倉庫や象の鼻パークなど、歴史と組み合わせた公園が随所にあるのがいいですね。

内装のイメージパースです。野村不動産の公式リリースでは、『「FOOD MUSEUM」をコンセプトとし、横浜と縁の深い「食」をテーマに、「見て」・「食べて」・「作って」・「持ち帰る」機能を有した体験・体感型の商業施設を整備します。』とのことです。建物内の店舗で買って、ホテルや家、近くの公園で食べたりといったこともできそうで、完成が楽しみですね。

最後に、建築計画のお知らせ看板です。施工者は海洋土木建設に強い五洋建設です。臨海部なのでこういった工事はお手の物といったところでしょうか。地代は募集要項から計算すると月額16,571,934円(954円×17,371㎡)、年額だと約2億円となります。ラグジュアリーなホテルと新しい商業施設、公園などでより横浜が楽しくなりますね!
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