みなとみらい20街区で建設の進むMICE施設と民間収益事業施設の現地調査を行ってきました。
場所は横浜市西区みなとみらい1丁目で、パシフィコ横浜展示ホールが立ち並ぶ街区の北側になります。ここに、MICE施設と民間収益施設と呼ばれる2棟の建物が建設されます。

上図の水色線で囲まれた部分が、新しく整備されるMICE施設で通称が「パシフィコ横浜ノース」に決定しています。そのほかの部分で大きく「ホテル」と書かれた部分は、一般利用ホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」と会員制ホテル「横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート」になります。


当街区の事業は横浜市がMICE施設を新たに整備することを目的とするために事業スキームが少し複雑になっています。
新MICE部分は、竹中工務店㈱を中心としたグループが設計・建設を行い、竣工後は建物を横浜市が所有し、同グループが維持管理を行うことになっています。同グループは当事業を約378億円で落札しています。
なお、竣工後の運営は同グループではなく、パシフィコ横浜を運営する㈱横浜国際平和会議場が行うことになります。これに伴って横浜市は約80.7億円(20年間)で運営権を設定することとしています。

ホテル部分については、リゾートトラスト㈱が民間収益事業として整備を行います。20街区北端部分の約9,500㎡を横浜市との間で土地売買契約を締結し、その上に2種類のホテルを建設する計画です。
土地売買代金はネット検索だとあまり出てこないのですが、横浜市財産評価審議会の答申では「約69.8億円(単価@735,500円/㎡)」であったことが住民監査請求の監査結果に関するお知らせに記載がありました。
ホテル事業全体では、総事業費458億円となります。

敷地全体の様子です。奥側に見えるガラス張りの建物が「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」と「横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート」になります。手前が「パシフィコ横浜ノース」です。

ちょっと遠目からの写真です。MICE部分とホテル部分ともに外観はあと少しで完成という状況でしょうか。

ホテル部分の写真です。
一般利用ホテルの「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」は、客室数146室(客室面積50~120㎡)のホテルです。投稿時点ではまだHPの開設はありませんが、イメージパースを見る限り非常にラグジュアリーなホテルになるようです。リゾートトラスト㈱は今後、このザ・カハラブランドを世界展開していくことを公表しています。
一方で会員制ホテル「横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート」は、客室数138室(客室面積約50~135㎡)で、物件HPを見る限り煌びやかな装飾が施された、超高級リゾートホテルになっています。もはや紹介できるほどの語彙力がないので、詳細は物件HPをご覧になっていただきたいです。ちなみに一番お高いお値段は、年間24泊タイプで税込40,291,473円(※消費税8%計算、適用消費税率により変動となる可能性ありです)です。このほか、年間運営費で税込約34万円ほどかかるようです。どんな人が買うのでしょうか?

私は携わったことはないのですが、不動産鑑定のお仕事でも会員権の評価があったりします。会員制ホテル部分の会員権は、HPの内容を見る限りでは、3つのタイプ(「ロイヤルスイート」、「ラグジュアリースイート」、「ベイスイート」)と他の規約共用部分を含む区分所有建物とし、それぞれの区分所有部分に共有持ち分を設定するようなタイプになるものと読み取れます。

MICE部分は2020年春、ホテル部分は2020年夏ごろ開業予定とのことです。両施設ともに非常にラグジュアリーな層を横浜に呼び込む装置として期待されるものです。完成後が期待されます。
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