2021年5月9日、令和3年の不動産鑑定士短答式試験が実施されました。昨年に引き続きコロナ禍での実施となりましたが、当初予定から約2か月半ほど延期された昨年とは異なり、今年は期日通りの実施となりました。
不動産鑑定士になるためには、例年実施される短答式試験と論文式試験に合格したのち、実務修習を修了する必要があります。
今回実施された短答式試験は毎年5月上旬頃に実施され、不動産鑑定士になるための第一段階としての位置づけとなっています。今年は、北海道、仙台、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇に加え、東京2会場の計11会場で試験が実施されました。
試験では都市計画法や建築基準法といった不動産関連法規について問う「行政法規」と、不動産鑑定理論について問う「鑑定理論」の2科目が行われ、それぞれ2時間各40題が出題されます。
短答式試験は、例年2,200人前後が申し込み、16~1,700人程度が受験しますが、昨年の申し込みは2,091人、受験者は1,415人と落ち込みました。
現時点で今年の申し込み数等は公表されていません。昨年に引き続きコロナ禍での試験実施であり、一部の受験生で受験を控えるといったマインドは働く一方で、昨年の試験振替制度を使用して今年に振り替えた受験生もいることもあり、今年の傾向は例年に比べるとやや読みにくくなっている可能性があります。
短答式試験に合格した受験生は例年8月ごろに実施される論文式試験に進みます。短答式試験合格は向こう3回の論文式試験が経過するまで合格が有効となりますので、受験者によってはその年にそのまま論文式試験を受けたり、実力をつけてから翌年の論文式試験に臨んだりと自分のペースに合わせて試験突破を目指していくことになります。
下記は過去5年間の短答式試験の合格率等の推移です。個人的には自己採点で7割を超えたら確実に論文式試験に進めるレベルだと思っています。
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
申込者数(人) | 2,023 | 2,126 | 2,273 | 2,262 | 2,091 |
受験者数(人) | 1,568 | 1,613 | 1,751 | 1,767 | 1,415 |
合格者数(人) | 511 | 524 | 584 | 573 | 468 |
合格率(%) | 32.6 | 32.5 | 33.4 | 32.4 | 33.1 |
最低合格点(%) | 63.75 | 67.50 | 68.75 | 70.00 | 66.25 |
各試験予備校では、問題の講評やボーダーライン予測、今後の勉強方法等の有益な情報を発信しています。URLは以下の通りです。
⇒TAC 短答式試験 受験生応援サイト【不動産鑑定士】
⇒LEC 短答式試験 受験生応援ページ
最後に、今年受験された方はお疲れさまでした。このまま論文式試験を受ける方、論文式試験突破は来年以降を計画している方など色々な方がいらっしゃるかと思います。今後も体調には気を付けて、合格を勝ち取ってください!
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