2017年よりみなとみらいで営業を行っていた「ホテルビスタプレミオ横浜」が2021年4月26日をもって閉館していたことがわかりました。
当ホテルを運営する株式会社ビスタホテルマネジメントは同年3月11日付で民事再生手続き開始の申し立てを行っており、ホテルの今後の運営状況が気になります。

ホテルビスタプレミオ横浜
ホテル概要
ホテルビスタプレミオ横浜は、2017年6月末にみなとみらいに開業したホテルです。
所在は、みなとみらい6丁目3-4で同街区にはスーパーのオーケーやBlueHarborTowerみなとみらいが存しています。最寄り駅はみなとみらい線「みなとみらい」駅で徒歩7分です。
建物規模は地上20階建て、客室数はシングルからトリプルまでの部屋を有し、全室22㎡以上の232室で構成されていました。館内にはジム、レストランなどが併設され、また、一部の客室はビューバス付で、同ホテルシリーズの中でも「旗艦店」の名にふさわしいホテルでした。
ホテルの運営形態
開発当時の当ホテルの建築主は、自由が丘でスイーツフォレストを運営する岡田不動産株式会社の子会社である岡田ビル株式会社でした。なお当記事作成日現在では、当ホテルは信託受益権が設定され、受益権者は岡田ビルから別の合同会社に移転しています。
運営者は前記の通り、ホテルビスタを運営する株式会社ビスタホテルマネジメントです。下記なども参考に、おそらく賃貸借の形式でホテルを運営していたのではないかと推測しています。
ホテルが入る建物内にはレストランやコンビニも入居していますが、これらの運営会社はビスタホテルマネジメントと異なるようで、記事作成時においてもレストラン「Oriental Beach」やコンビニのセブンイレブンは営業を継続しています。

運営会社の民事再生法適用
ビスタホテルマネジメントは2021年3月11日付で東京地裁に民事再生法の適用を申請しています。観光経済新聞の記事によればホテルオーナーへの賃料減免の依頼なども行ったものの、奏功せず今回の措置に至ったとのことです。
同社は民事再生手続き開始以降、プレミオの付く赤坂、みなとみらい、大阪本町の3物件を閉館しています。また、既にホテルの公式HPも閉鎖されていました。
ホテルの今後
現時点で、ホテルが今後どのようになるのかといった公式の情報は出てきていません。ホテルの所有者としては後継テナントを早急に見つけたいものと推測しています。水面下ではホテル運営各社に出店の打診や打診の準備が進んでいるのではないでしょうか。
ちなみに新型コロナウイルス感染症の拡大以降、ホテル経営は全般的に非常に苦境に陥り、一時は弱気一辺倒であった時期もありましたが、一部ではそのような時期を脱しつつあるホテル企業も出てきているのではないかと個人的には考えています。
当ホテルのようにホテル運営が立ちいかなくなって、オーナーとホテルテナントとの間で結ばれていた賃貸借契約が解除されるといった事態は、私の仕事上でもいくつか耳にしています。最近かつ横浜市内だと、プレサンスコーポレーションが開発した「ホテルWBF横浜桜木町」が運営会社の民事再生法適用により、長らく閉館のままになっていたことは記憶に新しいと思います。ただ、「ホテルWBF横浜桜木町」も2021年6月1日からは「ファーイーストビレッジホテル横浜」に名を変え、シンガポール系の企業により運営されることになっており、このような苦境下でも事業進出を試みる企業が出てきていることが見て取れるかと思います。
ホテルの現在の状況
ホテルの現在の状況です。外観からは閉館しているかは分かりません。

ホテルビスタのロゴは、まだいたる所に残っています。


敷地内にあったテナント案内板です。左下にビスタのロゴが残っていますが、テナント名は隠されています。

19階のレストランは営業中なので、ホテルに通じるエレベーターへは今も行けるようになっています。ただ、営業中に使用していたであろう精算機などが暗闇に置いてあったりと少し寂しい雰囲気になっていました。
今回、ホテルビスタプレミオ横浜は残念な結果になってしまいましたが、立地やマーケットボリューム等を考慮すれば、契約条件次第では当ホテルの後継テナントに名乗りを上げる運営会社はいなくはないかと思います。再開業には少なくとも半年から1年程度の期間は必要になるかとは思いますが、新しい看板を掲げて再開業してくれたら良いですね。
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